「ワークショップ」山口新聞東流西流2015.4.7掲載

「ワークショップ」

一昨年の冬、長野県の女神山という雪がしんしんと降りしきる、なんとも神秘的な場所で開催された「ワークショップ」に参加しました。仕事柄、「ワークショップ」というイベントや会議を、過去何度かお手伝いしたことがありますが、正直言って、その言葉の持つイメージになんだか違和感のようなものを感じていました。ただ、ある新聞の特集で目にした進行役の講師に会ってみたい、という一心から参加を決意しました。

「自分という自然に出会う」というタイトルのもと、インタビューの仕方を学ぶという、なんとも不思議なワークショップでした。ワークショップは1泊2日のプログラムでしたが、最初と最後では参加者の雰囲気がまったく変わったものになっていました。最初のころは少しはしゃいだ雰囲気もあったのですが、最後の「振り返り」のころになると、参加者の誰もがまわりの雰囲気に溶け込んでいる、息遣いまでを全員が共有しているような空気感があり、静けさの中でゆっくりと、一人一人の発表が進んでいきました。

そんな誰もが互いを尊重しながら、理解し合おうとするための話し合いが、本来のワークショップなのだと思います。その進行のベースにあるのがネイティブ・アメリカンの「トーキング・スティック」そして全体を統括するのが「ファシリテーター」という進行役です。

(下関市、エキマチ下関推進協議会事務j局ディレクター 西村 祐一)