「サード・プレイス」山口新聞東流西流2015.4.21掲載

「サード・プレイス」

巷では「居心地のいいカフェ」が流行っているらしい。脚本家の宮藤官九郎さん、先日書いた働き方研究家の西村佳哲さん、お二人とも執筆はいつも、自宅近くのお気に入りの喫茶店だとか。自宅でもない、会社や学校でもない、もう一つの大切な場所、自分が自分らしくいられる場所が、楽しく生活するには必要なんだ。そんな自分にとって3番目のお気に入りの場所のことを、都市社会学では「サード・プレイス」というらしい。

今、東京で話題のブルーボトルコーヒーの創始者ジェームス・フリーマンは、居心地のいいカフェとは?の問いに「椅子や温度の問題ではありません。スタイル、ホスピタリティというのでしょうか(中略)いつでも歓迎してくれるような雰囲気があって。そう、来てくれるお客さんやスタッフも重要かもしれません」と答えている。

その場の空気を創り出すのは、そのお店の内装や提供されるメニュー、味が重要なのはもちろんだけど、お客さんの立場になってあたたかく接遇してくれるスタッフや、その魅力に惹かれてやってくるお客さん自身が、その場の心地いい空間を創っているものなんだ。

エキマチ下関も、市民のみなさん一人一人の生活になくてはならない「サード・プレイス」として、居心地のいい喫茶店のような、会話を楽しめるカフェ文化を育てていきたいと思います。
(下関市、エキマチ下関推進協議会事務局ディレクター 西村 祐一)