「学びつづけること」山口新聞東流西流2015.4.28掲載

「学びつづけること」

今年4月8日、駒沢大学の入学式会場に73歳という高齢の新入生の姿がありました。仏教学部に社会人枠で入学試験をパスして、見事にピカピカの一年生になった欽ちゃんこと、萩本欽一さんです。彼は家族の借金、離散などの苦境にあるとき、手っ取り早くお金を儲けるためにコメディアンの道を目指したそうです。一生懸命、貧乏の中、兄弟を育ててくれた母は、欽一さんを高校に行かせてくれましたが、大学進学は叶わなかった。その母の思いを心に抱いて、彼は今、新しい道を歩みはじめました。

東流西流につたない文章を書かせていただいたことがきっかけで、ある日、私の事務所に一人の壮年の紳士が突然現れました。教職を定年退職し、市立大学3年次に編入、今年から大学院で「まちづくり」について研究を始めたとのこと。何か手伝える、参加できることがあればと思い、新聞社に電話して聞いてきたと。本当に頭が下がる思いです。

学びつづけること、それは人生にとって最も豊かで、崇高で、幸せなことなのではないでしょうか。

エキマチ下関推進協議会も設立からちょうど1年が経過しました。私たちのまちづくりも始まったばかり、ピカピカの一年生です。これからも市民のみなさんと一緒になって「学び」そして「活かしていく」ことを心がけて、一歩一歩前に進んでいきたいと思います。

(下関市、エキマチ下関推進協議会事務局ディレクター 西村祐一)