ローカリストの時代(朝日新聞2014.11.7近江弘一さんインタビューより)

最近の新聞から心に残った言葉~

震災で壁新聞を作った石巻日日新聞社長 近江弘一さん

この土地で暮らす覚悟のある人材育て復興の前線に立つ

ーそこまでローカリストに徹しようとするのはなぜですか?

「ここに自分が生きていた証しを残したい。今やっていることはビジネスではなく、自分の考えたことを浸透させ、伝えるに値するものをつくりたいだけです。百年、二百年続くものを残せるかもしれないと思うとわくわくする。もちろん続けて行くかどうかは、後の世代次第です。都会ではどうしてもお金に人が群がり、自分の思い通りにはできないし、同じことをやる人がたくさんいるので競争しなければならない。地方は無駄な競争や欲求がない分、やりたいことが真っすぐできます」

ーあきらめムードさえある地方を再生し、日本の姿をも変えていくには、何が必要ですか?

「新しいものを持ってきたり、創り出したりしてもいい。でも本当に必要なのは、その土地その土地で長く伝えられ、伝えていくべきことをきちっと整理し、磨き上げ、理解して未来につなげること。野心を持ってそれをやり抜く覚悟のある若い人材と、しくみが必要だと思います。女川町は日本創成会議の推計で人工減少率の極めて高い消滅可能性都市とされましたが、未来への挑戦はこれから。楽しみですね」