アレックス・カー「美しき日本の残像」を読んで

先週末、また一人暮らしを再開した息子に「最近読んだ本は?」と聞いたところ、
「この本が読みやすかった」と差し出された。
帰りの新幹線の中で読もうと、テーブルの上にあった本を勝手に拝借した。
著者は言う「日本は電柱とパチンコ店ばかりが続き、コンクリートの箱ばかりになってしまった。
古き良き日本はもう残り少ない」と。
日本、日本文化を愛するが故の幻滅は、時に憎悪をともなう言葉となり、
文章は時に雄叫びをあげる。

見習わなくてはならないのは、その好奇心、愛情から生まれる「行動力」である。
愛するが故に、好きなものへとことん持てる力を注入する。
そのパワーが人を引き付け、無理だと思われた難題を次々にクリアしていく。
お金を目的としてないからである。
打算が働いていないからである。
一人の私利私欲が見えた時、その人に周りの人は力を貸すわけがない。
そんな人に、周りの人を引き付ける魅力があるはずもない。

彼の座右の銘である論語「子曰徳不孤、必有隣」がたびたび登場する。
「徳不孤」すなわち「徳のある人は孤独にならない」の意である。
愛情を持って一心不乱に念じ続けていれば、おのずと仲間は集まってくる。
一人でな成し遂げられないことも、
仲間の知恵と勇気と行動によって、目的は達成されるのであろう。

仲間がいないと嘆くなかれ。
己を省みて、まずは一人かもしれないが、
一心不乱に突き進む勇気、そしてなによりも「行動」が必要である。

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